テレビ朝日の「世界の村で発見!こんな…


 テレビ朝日の「世界の村で発見!こんなところに日本人」は、世界各国の僻地で暮らす日本人を訪ねる番組。その志や人生観を紹介するのは面白いが、先週の放送分には大いに疑問が残った。

 「シルクロード砂漠の果てに日本人女性」と銘打って、中央アジア、ウズベキスタンの村の学校でスポーツ指導を行う24歳の女性を訪ねたものだが、そこまでの行き方が異常だった。

 まず日本から首都タシケントまで、わざわざトルコのイスタンブールまで行って引き返すルートを使い21時間もかけている。成田からはウズベキスタン航空の直行便が週1~2便あるし、仁川経由のアシアナ航空などの便も頻繁に出ている。直行便なら9時間、仁川経由でも14時間ほどで行ける。

 さらにタシケントからウルゲンチという州都まで飛行機を利用すれば2時間ほどで着くのに、夜行列車に乗り17時間をかけ、結局その村まで55時間も費やしたとしている。

 何のことはない。敢えて時間のかかるルートを選んで、こんな遠い所にいると強調したかったのだ。一種のやらせである。ウズベクは近年、観光産業に力を入れ、日本人観光客の誘致にも熱心に取り組んでいる。

 しかし番組を見た視聴者の多くは、訪れるのは大変だというイメージを抱くだろう。これでは、親日的なこの国と日本の絆を深めようと頑張っている人たちの苦労も台無しである。このような番組作りはやめるべきだ。