「最近になって、電話公害ということがやっと…


 「最近になって、電話公害ということがやっといわれはじめた。/私の知り合いの女性で電話帳に自分の名前(つまり女名前)で登録している人は、一人残らず、深夜のイタズラ電話の被害を受けている」。

 1986年刊、塩田丸男著『口下手は損ですか』に当時社会問題となった「電話公害」の話が出ている。電話を悪用した犯罪は今日、振り込め詐欺など巧妙、悪質、大掛かりになっているが、人を騙(だま)す悪党の心根は変わっていないように思われる。

 たとえふざけや興味半分だったとしても、悪の芽は早いうちに摘まないと、取り返しのつかないことになりかねない。電話以外の通信機器を使った子供の非行が目立っている。

 インターネット上で援助交際や下着売買を持ち掛けた少女らに、警察職員が身分を隠して接触する「サイバー補導」で、2014年に18歳未満の子供439人が補導されたことが分かった。

 援助交際や淫行を持ち掛けたのが284人、下着売買が150人、両方は5人いた。高校生309人、無職72人、中学生45人の順に多く、最年少は13歳の中1女子だった。学校にいる時間帯に投稿した少女もいた。

 待ち合わせ場所に現れなかったケースなどもあり、警察庁は「補導されたのは氷山の一角」とみている。彼らの親や親に代わる者たちの役割は非常に大きい。今のうちに矯正しないと、いずれ本当の悪党になってしまう。