金沢市は百万石の城下町だけあって、美味しい…
金沢市は百万石の城下町だけあって、美味しい和菓子が色々ある。駅ビル内の土産物売り場にも、老舗の和菓子屋さんがずらりと並び、目移りしてしまう。
ゆっくり土産を選ぶ時間のない人に、薦めたいのは「あんころ餅」。これはキオスクでも売っていて、値段は300円台からある。ある和菓子屋のものは、今も昔ながらの竹の皮で包まれている。
加賀のあんころ餅は江戸時代からあり、参勤交代の途中、一行はこれを食べて旅程の慰みにしたという。東海道や中山道を通るルートもあったが、ほとんどは金沢→越中→越後→信濃→上野→武蔵→江戸だった。途中、越後の親不知海岸の難所があり、江戸まで約13日かかった。
金沢は首都圏から直線距離だとそれほど遠くないが、間に信越の高い山々があるため、大きく迂回(うかい)せざるを得ないのだ。きょう開業する北陸新幹線のルートは、参勤交代のそれとほぼ一致する。しかし、所要時間は約2時間半。加賀の殿様には夢のような話だろう。
金沢が、全国に多いいわゆる小京都の中でも一頭地を抜いているのは、徳川体制となり、軍事面では幕府に対抗できない分、文化重視の政策を取って独自の武家文化を育てたことがある。先の大戦で空襲を受けず、古い文化財が保存されたことも大きい。
途中の信越そして富山にも、見所や美味しい物は沢山ある。ビジネス面でも新しい局面が期待できそうだ。