衆院予算委員会で、共産党議員が公立小学校の…
衆院予算委員会で、共産党議員が公立小学校の「35人学級」の拡充を求めたのに対し、下村博文文部科学相は「授業の質向上などを踏まえ、柔軟な定数改善も必要」と説明。安倍晋三首相も、教員の質の向上を目指すとした。
クラス人数の調整も必要だが今、教育現場で重要なのは、教員に対する教育だろう。2013年度に全国の公立学校で、児童・生徒に体罰を加えたとして教職員3953人が懲戒免職や訓告などの処分を受けた。また体を触るなど子供にわいせつ行為をして処分された教職員は初めて200人を超え、ともに過去最多になった。
一方、各都道府県などが認定する「指導力不足教員」に対する現在の特別研修の取り組みは、概して現場復帰のための援助、支援ということに重点が置かれている。真の指導力向上を目指すにはおのずと限界がある。
公立小中学校の道徳の教科化が決まったが、この話題一つとっても教える側の態勢が問われている。
昨年11月末に開かれた「教育再生民間有識者会議」で、委員の一人、外交評論家の澤英武氏は「道徳の教科化は、誰が道徳を教えるのかを、規定すべきだ。例えば校長が教えるというように責任を明確にし、学校全体での道徳教育の体系化を目指すべきではないか」と提言している。
現在、大学の教職課程には道徳教育が2単位しかない。大学教育の現状を見ると、確かに心もとない。