自分たちの要求を通すために平気で人を殺す…


 自分たちの要求を通すために平気で人を殺すテロリスト集団に強い憤りを感じる。過激組織「イスラム国」とみられるグループが後藤健二さんを殺害したとする映像をインターネットで公開した。

 この間、「イスラム国」からは日本政府に何の接触もなく、人質解放の条件やその期限などが、応ずる側の意思に関係なく伝えられた。菅義偉官房長官は記者会見で「一方的なプロパガンダの色彩があったのは確かだ」と述べた。

 いかに大義の剣を振り回そうと、ネット上で一連の犯罪予告をしたり、犯行声明などを発表したりするやり口は卑劣だ。人々の注目を集めることを目的の一つとして仕掛けてくる劇場型犯罪と大差あるまい。

 この種の犯罪に対するには、犯人のさまざまな指示や要求に翻弄されず、応える側の内部で意思統一を行うこと、つまり犯人に隙を見せないことが大切だ。

 今回わが国はテロ撲滅に向け、ヨルダンやトルコなど中東諸国をはじめ、欧米西側諸国との連帯を強調。「テロには屈しない」という断固たる姿勢を貫き、そのサインを送り続けた。しかし、無念にも人質は救出されなかった。

 2013年1月にアルジェリアで起きた日本人人質事件を契機に、自衛隊による在留邦人の陸上輸送を可能にする改正自衛隊法が同年11月に成立した。だが今回の事件を踏まえ、テロ防止、被害者救出の対策を一層強化する必要性が高まっている。