11月は前年同月より54人減の377人、12月も…


 11月は前年同月より54人減の377人、12月も同50人減の440人だった。2カ月で100人以上の減少を記録した。この結果、昨年1年間の交通事故死者数は前年を260人(5・9%)下回る4113人で、14年連続の減少となった。

 昨年はお盆(8月9日~18日)の交通死者が93人で、統計が残る1970年以降で初めて100人を割り、最少となるなどした。交通死者の4000人超えも、前年より17日遅くクリスマスイブの12月24日となった。

 年間4000人以下達成は、今年に持ち越したが、それでもあと一歩までに迫ったのだ。交通死者はピークだった70年に1万6765人を記録した。いまは当時の4分の1以下にまで減らしたのだから、大変な成果を上げてきたことに。40余年にわたる関係者の交通安全への取り組みと努力のたまものである。

 こうした一方で、頭の痛い課題も。昨年の65歳以上の高齢者の死者は2193人。こちらも前年より110人(4・8%)少なくなっている。

 ところが、交通死者の中で高齢者の占める割合の方は53・3%で0・6ポイント増え、データのある67年以降では過去最高となった。それだけ他の年齢層に比べて、高齢者の減少ペースが緩いのだろう。

 高齢者人口はこれからも増える一方であり、事故の増加も予想される。高齢者には自身の体力低下を自覚し、それに見合った慎重な行動が求められる。