20世紀が「エレクトロニクスの世紀」と…


 20世紀が「エレクトロニクスの世紀」と呼ばれたのに対し、21世紀は「光の世紀」と言われている。光を利用する技術が急速に発達し、人々の生活に浸透しているからだ。光の技術利用の基本は「照らす」「見る」「はかる」。

 東京・上野の国立科学博物館で「ヒカリ展」が開かれているが、「人と光」のコーナーでは、それらの技術利用についての歴史を紹介し、今日どのようなところへ来ているかを展望させてくれる。

 「照らす」に注目すると、江戸時代までは植物や動物から採った油脂やろうそくに火を灯し、明かりとしていた。が、明治になるとガス灯と電灯が登場し、急速に人々の夜の暮らしを変えていく。

 近代の照明用光源の開発は約60年周期と言われ、ガス灯(1810年代)、白熱電球(1879年)、蛍光ランプ(1938年)、そして白色LED(1996年)と登場してきた。

 LEDは半導体の一種で、電気エネルギーが直接光に変換されるため、エネルギー効率が非常によく、消費電力が少なくて長寿命。一方、最近注目されているのが発光層に有機素材を使用した「有機EL照明」だ。特徴は薄さで、1㍉以下のも発表されている。曲げることもできる。

 LEDの開発は赤色、緑色と続き、困難を極めたのが青色LED。その発明で赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんがノーベル物理学賞を受賞し、ストックホルムで授賞式が開かれた。