「景気回復、この道しかない。」と題した…


 「景気回復、この道しかない。」と題した自民党の「政権公約2014」は大半が経済、その関連政策を説いていて、変型B5判25ページに文字がぎっしり。短期間によくぞまとめたものだという感じ。

 アベノミクスは第1の矢(大胆な金融政策)、第2の矢(機動的な財政政策)に続き、第3の矢(民間投資を喚起する成長戦略)で完成する。政権公約は<本格的な成長軌道を>の見出しで各産業の生産力の向上、成長への道を約束している。

 公約が増えれば有権者には心地よいが、自ずと「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるか」というケネディ元米大統領の言葉が思い浮かぶのは気流子だけではないだろう。

 社会保障制度改革の過程では痛みを分かち合うことが求められる。地方創生では民間のアイデアも欠かせない。選挙期間中、自民党はそのことを明言し有権者に訴えることが肝要だ。

 分厚い公約は2003年の衆院選以来の各党の傾向。細目にわたるのは急増する無党派層に対応しようとする狙いもある。大手紙調査では50%前後が無党派層だというから驚きだ。

 東西冷戦が終結し国内で社会党が瓦解するまでは「自由」「民主主義」を打ち出せば自民党の形が示せた。その後、内実はともかく同じ旗を立てる党が増えた。自民党は党是の自主憲法制定をもっと押し出し、憲法改正の道筋を明示することが必要だ。