今年７月の週末に北海道小樽市で起きた小樽ひき逃げ事件は、小欄（７月１５日付）でも取り上げたので覚えておられる人もいよう。海水浴帰りの元高校同級生の女性４人がひき逃げされ、３人が死亡１人が重傷を負う痛ましい事件である。

　飲酒運転で事件を起こした被告は当初、自動車運転過失致死傷罪などで起訴された。だが、遺族らは悪質な事件に厳罰を求める署名活動を行い、ついに検察を動かした。

　札幌地検は１０月、より刑の重い危険運転致死傷罪に訴因変更を請求。裁判が今後の焦点となるが、遺族らは「検察は真摯（しんし）に、誠実にわれわれに寄り添ってくれた」「きちんと捜査して訴因変更した検察の姿勢を高く評価したい」と感謝を語る。

　飲酒運転は被害者はもとより、加害者も身の破滅を招く。何かと飲酒の機会が増える師走に入ったが「飲んだら乗らない」を徹底したい。

　先月の交通事故死者数は１１月として初めて３００人台（３７７人）となった。昨年同月比で５４人の大幅減少。それに今年は上半期の交通死者が２０１２年同期以来、２年（４期）ぶりに２０００人を下回る１９２５人（昨年同期比７９人減）だった。

　１１月末までの合計は昨年同期比２１０人の大幅減で３６７３人。１２月は交通死者が１年で一番多い月で、昨年（４９０人）と１１年（４８３人）を除くと毎年５００人以上を記録してきた。年間４０００人以下の達成は難しいが、かなり近づこう。