オリンパスと言えば、カメラや内視鏡を…


 オリンパスと言えば、カメラや内視鏡を手掛ける名門光学機器メーカーだが、3年前に損失隠しの不祥事が発覚。「企業の内実は分からないものだなぁ……」と思っていささかショックだった。

 同社の粉飾決算で損害を被ったとして機関投資家らが提訴、今年4月には信託銀6行から総額約279億円の損害賠償を求める訴訟を起こされた。この間、人事問題で内部の軋轢(あつれき)も表面化していた。

 しかし、もともと、地力のある企業で、中でも医療用内視鏡は世界で7割のシェアを持つ。オリンパスの笹宏行社長は最近の会見で、医療事業を中心に業績が好調に推移し「社員の気持ちが上向きになっている」と語っている。

 いわば“芸は身を助く”で、経営上のマネジメントで大チョンボを犯しても、テクノロジーで一頭地を抜いていれば立つ瀬もあるということだろう。ただしいかに優秀なメーカーも、今日のように世界各国の企業から追われる立場に立てば、舵(かじ)取りによほどの注意がいる。

 早い話、あのソニーでさえ、追う立場から攻守交代となって、多角経営に手を染め始め調子が悪くなった。その結果、自ら新技術を開発する力さえ削(そ)がれてきて、優秀な技術者が集まらなくなった。

 今回の総選挙では、法人税減税を含む成長戦略の在り方も争点の一つ。世界の中の日本の企業、メーカーのために政治は何をすることができるか。そんな視点を大切にしたい。