㈱ユーグレナは設立10年未満の若い企業だが…
㈱ユーグレナは設立10年未満の若い企業だが、2005年に世界で初めてミドリムシを食品として屋外で大量培養することに成功したバイオベンチャー。10月に製品開発で武田薬品工業と包括提携した。
出雲充社長は「いい教師に出会えた」「武田にビシバシ鍛えてもらいたい」と、提携効果に期待を寄せる。昨年春から健康補助食品の共同開発を進める中で、商品のデザインから材料の吟味に至るまで、武田の求める基準の高さを「毎日感じている」という。
従来、大企業が利権や既得権を振りかざして、同業種の中小企業の参入をブロックする業界の構図があった。しかし、ユーグレナと武田のように両者の共通利益を追求するケースも増えてきた。
近年、多くの既存産業、市場が円熟化し社会的需要が飽和状況にある。そのため前途が不透明で大手企業が手掛けにくい事業分野には、技術を持つベンチャーの参入機会が多くなった。そんな背景がある。
政府も経営支援を必要とするベンチャー企業と、大手企業や機関投資家などが直接交流するイベントをこの数年間に200会場で開くことを決めた。地方の活性化につなげる狙いもある。
総務省によると、会社企業の数は1996年の170万社がピークで2006年時点で約1割減の150万社となっている。税収入だけを考えても大きな国家的損失と言うべきで、起業家育成は緊急の政治課題でもある。