中台貿易協定見直しを今春に成功させた台湾の…


 中台貿易協定見直しを今春に成功させた台湾の学生団体の運動と、現在香港で50日以上続く学生ら民主派のデモの違いはどこにあるか。小紙連載「揺れる香港 各派リーダーに聞く」(6~12日)で香港の陳淑荘・公民党副主席がインタビューに応え次のように話している。

 「台湾トップの総統は民主的な選挙で選ばれ、学生たちの行動に同情的な民意を汲(く)み取りやすい」。片や「(香港トップの行政長官は)中央政府が認めた人物しか就任できず、中央政府が決定した法案に学生側が反対しても香港政府は受け入れられない立場だ」と。

 陳副主席は中国と台湾の行政機構の違いをズバリ指摘し、香港の民主化運動のままならないことを説いている。にもかかわらずデモの渦中で、若者の影響力の大きさに手応えを感じ頼りにしているさまもよく伝わってくる。

 先日、中国の習近平国家主席は北京で香港の行政長官と会談し、民主派学生らとの妥協を断固拒む方針を示した。だが、若者たちの力を見くびってはいないか。

 米国では2008年の大統領選時、オバマ陣営がグループ会合を15万回以上開き、初当選を果たしたことが思い出される。その運動の担い手も学生など若年層だった。東西の若者の力、恐るべし。

 わが国はどうか。今後、どのような社会・政治改革が行われるのか。その中で若者がどんな働きをするのか。全くの未知数だが期待感もある。