「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流会」が…


 「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流会」が先週土曜日、埼玉県川越市で開かれた。会場となった市民会館ロビーでは、釜山や対馬の物産展のほか、朝鮮通信使随行画員展や写真展も開かれて賑わった。

 福岡、山口、広島はじめゆかりの町のある県からも人々が参加。釜山から来日した「チョン・シンヘ舞踊団」の華麗な舞と、同じく「南山ノリマダン」の躍動する打楽器演奏が観客を感動の渦に巻き込んだ。

 「東国武蔵の民際交流」という題で記念講演をしたのは、高麗(こま)神社第60代宮司の高麗文康さん。高麗神社は隣の日高市にあり、祭神は高句麗から滅亡前に渡来した高麗王(こまのこきし)若光(じゃっこう)。716年武蔵国に高麗郡が置かれると初代郡長になった人物。

 映像を用いた高麗さんの講演は、高句麗滅亡時の半島情勢や移住当時の高麗郡はじめ、多岐に及んだ。興味をひいたのは、高句麗時代の徳興里(とくこうり)壁画古墳の玄室壁面に描かれた「馬射戯(まさひ)図」の解説だ。

 馬に乗った武者が的に向かって弓を射ている図で、当時、武芸鍛錬として行われていたという。日本の流鏑馬(やぶさめ)に当たるが、図は408年のもので古く、弓は短い複合弓。衣装もスポーティーだ。

 これを復元した競技大会が今月23日、「高麗郡フェスティバル2014」で行われるという。16年が高麗郡建郡1300年に当たり、講演会など各種催しが始まっている。隣国の歴史と文化について理解を深める絶好の機会だ。