きょう11月1日は「古典の日」。『紫式部日記』…


 きょう11月1日は「古典の日」。『紫式部日記』に『源氏物語』についての記述が初めて出た日という。なぜか「自衛隊記念日」など、他の記念日も重なっている。「灯台記念日」もその一つ。

 日本最初の洋式灯台である観音埼灯台(神奈川県横須賀市)が明治元年の11月1日に起工されたことから、昭和24年に制定された。普段はなかなか灯台の中に入れないが、記念日前後に一般公開されるところもあるようだ。

 観音埼灯台は東京湾の入り口、観音崎の高台にあり、大型の貨物船などがひっきりなしに出入りするのを見守っている。航行の安全のために大きな働きをしている灯台だが、風景としても、なかなかいいものだ。すっくと立つ凛々(りり)しい姿が、人のように見えることもある。

 視聴者の心に残る風景を俳優の火野正平さんが自転車で訪ねるNHK・BSの「にっぽん縦断こころ旅」に、新潟市の男性が灯台の風景を語った手紙を寄せていた。単調な日々の仕事にやや落ち込んでいた時、故郷の佐渡に出張を命じられるが、フェリーの上から眺めた姫埼灯台が「よく来てくれたね」と言っているように思えた。

 さらに灯台の下まで行き近くから見ると、錆などが目立つ。自分を犠牲にして行き交う船を見守る、そんな灯台の姿が、小さい事で悩んでいる自分の人生を変えてくれたという。

 日本にはたくさんの灯台がある。この週末、灯台のある風景を見に行くのもいいのでは。