週末に起きた痛ましい交通事故死には、…
週末に起きた痛ましい交通事故死には、被害者はもとより家族らの無念を思うと言葉を失う。日曜日の北海道小樽市で、海水浴帰りの元高校同級生の女性4人がひき逃げされ3人が死亡(1人重傷)したのは事故ではなく「事件」である。
自動車運転死傷処罰法違反などの疑いで逮捕された男(31)はビーチで12時間近く、仲間と飲酒したあと車を運転し4人をはねて逃げた。「携帯電話を使っていて前をよく見ていなかった」。
「事故さえ起こさなければ運転しても大丈夫と思った」との供述には唖然とさせられる。被害者はこんな手合いに、自らの未来を絶たれたのだ。
土曜日の夜には埼玉県川口市で、原付きバイクの女性(65)が追突された車に約1・4㌔引きずられて死亡。逃走した市職員(26)が同法違反容疑などで逮捕された。呼気からは基準値の数倍のアルコールが検知されていて飲酒運転の疑いが濃い。
警察庁は夏休みを前に全国の警察に、飲酒運転撲滅のための啓発と取り締まり強化を指示したばかり。年間の飲酒運転による事故は減少傾向にあるが、過去5年間の交通事故の分析では5、6月は1900件台なのが、7月に2100件台、8月も2000件台と増えている。
「海水浴などのレジャーで飲酒する機会が多い」からで、飲酒運転に関してこのふた月は要注意なのである。その矢先に起こった今回の事件。改めて運転者には「飲酒運転の封印」を求めたい。