相模湾に面した新江ノ島水族館は、海辺の…


 相模湾に面した新江ノ島水族館は、海辺の絶好のロケーションにあって、子供たちや家族連れでにぎわう人気のスポット。中でも「クラゲファンタジーホール」は宇宙空間に来たような神秘的な展示場だ。

 クラゲの展示が始まったのは1974年だが、生態の研究と飼育の困難さにぶつかりながらも、クラゲが圧倒的に人気のある生き物だと知るようになり、88年に世界で初めてクラゲ展示館を開いた。

 堀由紀子館長は「静かな浮遊感、心地よい漂泊感などが癒やしにつながっている」と述べ、「あらためてクラゲの効果に驚かされた」と『水族館へようこそ』(神奈川新聞社)で綴っている。

 2012年、展示するクラゲの種類で新江ノ島水族館を抜いて、世界最多としてギネスブックに認定されたのは、山形県の鶴岡市立加茂水族館。1964年の開館だが内容の乏しい水族館で、入館者は激減。

 これを救ったのもクラゲ。サンゴの水槽から湧いて出たサカサクラゲの赤ちゃんに、お客さんたちの目が集まったのを見て、村上龍男館長は「クラゲに賭けるしかない」と腹をくくった。

 97年9万人だった入館者は、クラゲの展示により、2012年には27万人を超えた。この6月1日、加茂水族館はリニューアルオープン。村上館長は併せてクラゲを紹介した『クラゲ世にも美しい浮遊生活』(PHP新書)をノーベル化学賞受賞者の下村脩さんと共著で出版。その美しさに魅了される。