サバはよく食卓に上る魚の一つで、料理の…
サバはよく食卓に上る魚の一つで、料理の仕方も多様だ。塩焼き、味噌煮、寿司などは一般的だが、他に南蛮漬け、竜田揚げ、ソテー、そぼろ、甘酢あんかけなど、レシピは数えきれないほど。
回遊魚で、日本の太平洋沿岸で水揚げされるサバは秋が旬。1隻か2隻の船が魚群を網で包囲してとる巻き網漁が行われているが、江戸時代には船でかがり火を焚いて魚を集め、とっていた。光に向かう性質を利用した漁法だ。
群れが沿岸にやってきた時、夜間に堤防などで光を照らして釣ることもある。そんな時は入れ食い状態になる。釣りの対象として初心者も釣りやすい魚だ。しかし近年、全国の漁獲量は減っている。
日本でとれるのはマサバやゴマサバだが、大西洋でとれるのがノルウェーサバだ。アイルランド沖で春に産卵し、孵化した幼魚がノルウェー南部海域を目指してやってくる。浅瀬で成長し、さらに北上。こちらも秋が旬。
ノルウェー水産物審議会(NSC)によると、今年9月から来年2月までの来シーズン、同国の漁獲枠は昨シーズンの2倍近い、約28万㌧に決まった(小紙4月6日付「漁獲量が大幅増へ」)。
そのためノルウェーサバを大量に消費している日本でも、水産関係者の間で期待が高まっている。加工された「ノルウェー塩さば」は、大きくて調理がしやすく人気がある。この秋、他の食材と組み合わせてレシピがまた増えるだろう。