【上昇気流】2021年もきょうが最後


2021年もきょうが最後。この一年、新型コロナウイルス禍が長引き、辛(つら)く苦しい思いをした人も少なくないのではないか。そんな中、人々に希望を与えたのが東京五輪・パラリンピックに参加した選手たちだった。

東京五輪が終わり、表示された「ARIGATO」の文字=8日、国立競技場

東京五輪が終わり、表示された「ARIGATO」の文字=2021年8月8日、国立競技場

コロナ禍での五輪開催について、日本のメディアは小紙を含む保守系新聞が賛成、リベラル系新聞が反対ないし消極的な立場に分かれた。しかし無観客開催とはなったが、感染対策の徹底、そして何より史上最多のメダルを獲得した選手たちの活躍によって、当初二分されていた世論も「やってよかった」が64%という結果だった(読売新聞世論調査)。

もし開催を断念していれば、わが国の国際的な信用は大きく傷つき、国民の挫折感だけが残っただろう。五輪・パラを終えての評価は、概(おおむ)ね「困難な時に日本はよくやった」というものだった。

スポーツでは、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の二刀流の大活躍も忘れられない。素晴らしい成績を残したというだけではなく、大リーグのこれからの姿を変えていく存在となっている。来年のさらなる活躍が楽しみだ。

一年の締めくくりに、今季球団新記録の38セーブを挙げた千葉ロッテマリーンズの益田直也投手が、NHK「球辞苑~プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち~」で「9回」の攻防について語った言葉を紹介したい。

「クローザーは何点取られても勝って終わればいい」。それでは皆さま、よいお年を。