【上昇気流】帰国後の自宅待機
海外出張から帰国して自宅待機となり1週間が過ぎた。成田空港でスマートフォンにインストールされた「MySOS」というアプリで毎日「入国者健康確認センター」に健康状態と居場所を報告しないといけない。居場所確認は日に3回、1回はビデオ電話で。
といっても、係の人と話すわけでなく、どこにいるか分かるよう背景を入れて顔を写すだけだ。コンピューターで自動的に行っているのだろう。
だいぶ慣れてはきたが、最初は監視されているようで、いい気分ではなかった。技術的な面に限れば、ジョージ・オーウェルの小説『1984』に描かれた世界が現実となる時代になった。
成田では、抗原検査などで手続きに3時間ほどかかった。新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えた人は、14日間の自宅待機期間が、再検査して陰性であれば10日間に短縮される。
ところがワクチンの接種証明書を自宅に忘れ、家人に写メールで送ってもらった。係官にそのことを話すと、面倒に思ったのか「14日間も10日間も同じようなものですから」などと言う。それで、やや語気を強め「その4日間が重要なんです」と言うと、係官はちょっと気圧(けお)された感じで、すぐに接種済みであることを確認して10日間となった
元はといえば、自分の不注意が原因の一幕だったが、係の人たちは総じて丁寧に粘り強く対応していた。今後、入国者が増えてくる中、人手不足にならないかが心配だ。