【上昇気流】ウズベキスタン経済の発展ぶり


大統領選挙の取材で中央アジアのウズベキスタンを6年ぶりで訪ねた。出国前と帰国直前のPCR検査、さらに帰国後は10日間の自宅隔離が待っているが、それを補って余りあるものがあった。特に、ここ3年で18%台の成長を達成した経済の発展ぶりを目にすることができた。

古びた民家やアパートのあった所に外資系のホテルが建ち、車の数が増えたこともあるが、何より勢いを感じさせるのが、首都タシケント中心部の再開発だ。80㌶の地域にビジネスセンタービル、ショッピングモール、ホテル、高層マンションなどから成る複合都市をつくるプロジェクトだ。

一昨年オープンしたヒルトン・ホテルのすぐそばに、51階建てのビジネスセンターなど複数の高層ビルが建設中だった

タシケント中心部にはイスラム風の建物が多い。堂々としているが、建築としては不自然な印象を受ける。異様に大きなファサードやアーチ型の窓などが特徴で、機能性という点ではおかしな建物と言ってもいい。

これらは、独立後にソ連の痕跡を消すため、ソビエト・ロシア風の建物をティムール朝風の外観で覆ったのである。初代カリモフ大統領が、国の新しいアイデンティティーづくりの中心に置いたのが、14世紀に大帝国を築いたティムールだった。

今度は実用的なオフィスビルが取って代わろうとしている。権威主義的なカリモフ政権に対し、実務的なミルジヨエフ政権を象徴しているようにも見える。