選挙戦が本格スタート


衆院選がきょう公示され、選挙戦が本格スタートする。既に党首討論も行われ、新型コロナウイルス対策、経済、外交・安全保障など各党の対立点はかなり先鋭だ。政策論争がさらに深まることを期待したい

迫る衆院選、業者大わらわ「猫の手も借りたい」

衆院選に向けて選挙カーの準備作業が進むレンタル会社の車庫=12日午後、大阪府大東市(一部画像処理しています)

法事のために田舎に久しぶりに帰省したところ、ちょうど市議会議員選挙の告示日と重なった。法事の日の晩は遅くなったので、翌朝は9時近くまで寝ていようと思った。ところが8時ごろに「市議会議員候補○○です。よろしくお願いします。頑張ります」と選挙カーの拡声器の大きな声に目を覚まさせられた。

別の候補の選挙カーも「〇〇です。よろしくお願いします」。田舎の人は朝が早いとはいえ、8時ごろから選挙カーの拡声器の音を聞かされるのはたまらない。告示日で、張り切っているところをアピールしたのだろうけれど。

国会議員、地方議員を問わず、選挙で聞かされるのは候補者名の連呼だ。選挙最終日ともなると「最後のお願いにまいりました」などと言って名前を連呼する。

まずは名前を憶(おぼ)えてもらおうというのだろうが、有権者を見くびっていることになりはしまいか。せめて、目玉の公約や政策と結び付けてはどうかと思う。

平時の選挙であれば、それでもいいのかもしれない。しかし、今回の選挙は対コロナだけではなく外交や安全保障面でも有事に近い状況にある。有権者も当然そういう観点から候補を選ぶ。名前の連呼では済まないと心すべきである。