俳優の火野正平さんが、視聴者の「こころの…
俳優の火野正平さんが、視聴者の「こころの風景」を自転車で訪ねるNHK「にっぽん縦断 こころ旅」は、2011年4月放送開始の人気長寿番組だ。手紙を寄せる人は気流子と同じ中高年が多いので、身につまされることがある。
996日目に訪ねたのは、富山県南砺市の何の変哲もない村の神社。手紙を寄せた68歳女性の子供の頃の遊び場で、学校が終わると村の子供が集まり、石蹴りや隠れん坊などをして夕暮れまで遊んだ。手紙には「年上年下の子供たち、男の子女の子入り混じり、たくさん遊んだ風景がとても懐かしいです」とある。
気流子も子供の頃、遊びのホームグラウンドが近くの神社の境内で、缶蹴りや忍者ごっこなどをしていた。その手紙で改めて思い出したのは、今の子供たちは同じ学年の子としか遊ばないが、昔は違う学年でも遊んだということだ。
今思えば、社会性を身に付ける上でもよかった。年長者あるいはガキ大将がリーダーとなり、年下の子がそれに従う。一方で年長者は年下の子の面倒を見たものだ。
戦後のベビーブームの後で子供がたくさんいて、町のどこかで遊んでいた。しかし、最近では神社で遊ぶ子供の姿も見なくなった。
子供の数が減り、その子供たちも家でゲームをしたりして遊んでいる。今は新型コロナウイルス蔓延(まんえん)でますます外には出ない。野外でたくさんの子供たちが思いっ切り走り回る姿が早く戻ってくることを祈るばかりだ。