ソフトバンクの店頭で「ようこそ」とあいさつ…
ソフトバンクの店頭で「ようこそ」とあいさつしたり、待ち時間中に簡単な会話をしたりして客を和ませてくれた人型ロボット「Pepper(ペッパー)」の生産が停止していることが分かった。主に店舗や銀行窓口などの接客用だったが、需要が落ちていた。
人の感情を認識したり、意思疎通できたりするということで2015年に売り出されたが、「臨機応変に接客できるほどの技術はなかった」のが敗因という。
20世紀の米SF作家アイザック・アシモフの「ロボット三原則」というのがある。「人間への安全性、命令への服従、自己防衛(自律機能)」で、産業革命以来、理想の機械が追求されてきた中で提言された。
その試作品と言えるロボットが日本でも20世紀末から次々と生まれた。子犬に似た動作で四足歩行をするソニーのAIBO(アイボ)、階段歩行などができる人型のホンダASIMO(アシモ)、そしてソフトバンクのペッパーなど。
結局、どのロボットの人気も尻すぼみで、手塚治虫の描いた「鉄腕アトム」のようにはいかず、日常生活で人間のよき友人という役割は果たせなかった。
一方、主に産業用に、遠隔操作を可能にするロボット・機械への投資額がどんどん増えている。それは華々しい技術革新のようだが、機械技術の本質が人間の側から見えなくなっていくという危うさも感じられる。人間と機械、ロボットの理想的な関係の追求を怠ってはならない。