中国共産党が創立100年を迎え、習近平国家…


 中国共産党が創立100年を迎え、習近平国家主席は天安門広場で開かれた大規模な祝賀行事で「われわれは党創立100年の目標である貧困問題を解決した」と一党独裁の正統性を強調した。

 しかし、香港民主勢力への抑圧、ウイグル、チベットなど少数民族への弾圧で、強権支配の本質が浮き彫りとなり、世界からは祝福よりも強い警戒の目が注がれている。それを念頭に習主席は「傲慢(ごうまん)な態度で説教することは絶対に受け入れられない」と敵愾(てきがい)心を露(あら)わにした。

 「歴史認識」で日本に随分説教してきた中国共産党だが、自党の歴史を直視する姿勢は全くない。1958~61年に毛沢東が主導した「大躍進」では、飢饉(ききん)などで5500万人とも言われる農民が犠牲になった。

 この失敗で毛は生涯唯一の自己批判を行い、劉少奇に国家主席の座を譲った。だが、そのほとぼりが冷めると、今度は権力を奪還するため、学生や若者たちを扇動して文化大革命を起こし、再び計り知れない損失を人民に強いた。

 国民の命を何とも思わないこの感覚は、マルクス主義の唯物論と皇帝一人に全てを奉仕させる中華帝国の歴史が合体して生まれたものだろう。異形の怪物指導者と言うべきか。世界覇権を目指す中国の姿勢は毛から習主席に受け継がれている。

 この国が世界の覇者になれば、ウイグルやチベット、香港で起きていることが全世界で展開されよう。その恐ろしさにようやく世界は気付き始めた。