自賠責保険と略称される自動車損害賠償責任…


 自賠責保険と略称される自動車損害賠償責任保険は、自動車やバイク所有者に加入が義務付けられている保険である。事故の際に被害者が死亡した場合に支払われる保険金は最高3000万円、重い障害が残った場合には最高4000万円となっている。

 この自賠責の保険料が来月から平均6・7%引き下げられる。保険料を決めるのは金融庁の審議会で、2年連続の引き下げとなる。

 この結果、自家用乗用車の保険料は一般的な2年契約で現行2万1550円が2万10円に、軽乗用車が2万1140円から1万9730円に引き下げられる。昨年4月が平均16・4%だったのに比べると小幅とはいえ、2年連続の引き下げはユーザーにとってはうれしいニュースに違いない。

 昨年は新型コロナウイルス禍による外出自粛や、自動ブレーキなどの安全装備の拡充で交通事故件数が減少。交通死者数も2839人と史上最少記録を4年連続で更新した上に、初めて3000人を下回った。

 保険料引き下げは、これらが寄与して保険金支払いも減少したことに対応したものである。今年も2月末まで新型コロナ禍拡大防止のため、10都府県では緊急事態宣言下で外出自粛が求められた。

 この2カ月の交通死者数は405人で、昨年同期比で104人の減少。率にして20・4%の減少は、最少記録の5年連続更新だけでなく、政府が昨年までの目標とした2500人以下の達成も期待できる上々の滑り出しだ。