今年1~11月の全国の交通事故死者数は2541人…
今年1~11月の全国の交通事故死者数は2541人であることが分かった(警察庁まとめ)。これは年間3215人と昭和23(1948)年以降の最少だった昨年同期より318人(11・1%)の大幅減となる。
最少の4年連続更新はもう間違いなく、さらには今月の死者数次第では年間3000人以下の達成も視野に入る。新型コロナウイルス禍拡大による緊急事態宣言が出た4月は213人(53人減)だった。警察庁は「外出自粛で全体の交通量が減ったことが影響したとみられる」と分析。
交通量減少の影響は年間を通して出たとも言えよう。もう一つは6月30日に施行され、刑法の暴行罪より重い法定刑を盛り込んだ「あおり運転(妨害運転)罪」を創設した改正道路交通法だ。
これに危険運転の適用範囲を広げた改正自動車運転処罰法(7月2日施行)が加わり、悪質運転を逃さず厳罰化することが進んだ。
改正法では、あおり運転について10類型の違反行為を具体的に位置付けた。通行妨害の目的で行う急ブレーキや蛇行運転、幅寄せはもとより、不要な後方からのパッシングやクラクションの反復なども含まれ、違反行為が明確になった。
処罰法では「危険運転」に、高速道路で自車を停止して後続車を停止・徐行させる行為などを追加。被害者負傷の場合は「15年以下の懲役」、死亡では「1年以上20年以下の懲役」である。厳罰化による悪質運転抑制の心理的効果は大きいと言えよう。