選択的夫婦別姓の導入には慎重に対応すべき…


 選択的夫婦別姓の導入には慎重に対応すべきだとの提言書を、自民党の議員連盟「『絆』を紡ぐ会」が下村博文政調会長に手渡した。一方、産経新聞によると、政府が12月中にも閣議決定する第5次男女共同参画基本計画の原案は、夫婦別姓推進派の意見を色濃く反映する内容になっている。

 推進論の理由で、まず驚いたのは「実家の姓が絶えることを心配して結婚に踏み切れず少子化の一因となっている」というものだ。

 最近は一人っ子の家も増えているから、そういう女性もいるだろう。婿養子になる男性も少ない。しかし「少子化の一因になっている」というのであれば、かなりの数ということだろうが、あまり聞いたことがない。

 「仕事の実績や成果が引き継がれないなど女性活躍の妨げになっている」というのもある。いかにも女性にとって邪魔となっているようだが、ほんとにそうかなと思う。お得意さんに「結婚して○○姓に変わりました」と説明すれば「それはおめでとう」とかえって話が弾むのではないか。

 「絆」を紡ぐ会は、こうした不便を軽減するため、旧姓の通称使用拡充を提言しているが、結婚を希望する女性に安心感を与えるためだろう。

 同会共同代表の高市早苗前総務相は、慎重であるべき理由について「子供をどちらの姓にするかをめぐり両家が対立するなどの混乱が起きる」と語っているが、この方が可能性が高そうだ。経済優先か家庭重視かの問題でもある。