米大統領選は、バイデン前副大統領が選挙人…


 米大統領選は、バイデン前副大統領が選挙人獲得で過半数に近づく一方、バイデン陣営が不正を行ったとしてトランプ大統領は最高裁まで戦う構えだ。激戦州のウィスコンシンでバイデン氏の票が1時間ほどの間に13万票加算されたのに対し、トランプ氏はゼロという不自然な逆転劇があった。同じようなことがミシガン州でも起きているという。

 ペンシルベニアでは、投票日に投函された投票用の郵便に3日の消印を押すよう郵便局の上司が指示したとの内部告発があったとか。

 正確なものからフェイクまで、玉石混交の情報が飛び交っているのだろうが、トランプ氏の訴えに対し、米メディアは「根拠を示さずに」というばかりで、不正があったかどうかには全く関心がないという風だ。

 バイデン氏やその支持者は「すべての投票を数えることが民主主義を守ることだ」と主張している。不正な投票が混じっていても構わないというのだろうか。

 今回の選挙で、公正さが守られなければ、民主主義はその価値を失い、混乱だけをもたらすということが示された。その公正さを担保する上で、メディアは重要な役割を担っているはずだ。しかし、それを放棄しつつある。

 もちろん、ほとんどの米メディアが「反トランプ」であることは自由だ。しかし、メディアに求められる公正さは別問題である。長い年月をかけて築いてきたメディアの信頼が失われれば、民主主義の基盤自体を崩しかねない。