「重ね聞き」という単語を最近新聞で知った…


 「重ね聞き」という単語を最近新聞で知った。世論調査などでメディアが質問する時、あいまいな回答があった場合に「どちらかといえば支持しますか、支持しませんか?」ともう一度だけ質問するというパターンのことだ。「どちらかといえば……」がポイントだ。

 世論調査は、昔は対面、今は電話で行われることが多い。電話ならば調査は早く済むため、世論調査の数そのものも増えたと言われる。それでも、回答があいまいで調査の目的を十分に果たせない場合もあるだろう。そこで「重ね聞き」が登場したようだ。

 世論調査の一種に、テレビなどで行われる街頭インタビューがある。いきなりマイクを向けて「賛成か反対か」を問うスタイルが圧倒的に多い。が、賛成・反対の理由を問うことがほとんどないため、見ていてそれほど参考にならない。

 それに対して「重ね聞き」は、調査の信頼度を高める上で一定の効果はあるように思われる。改めて問われれば、自分の回答をもう一度外から振り返る機会が生まれる。

 ほんの少しではあっても「重ね聞き」による回答はより精確なものになる可能性が高い。無論世論調査は、取り調べや国会の審議ではない。相手を追及する必要も目的もないのだから、問い詰めるのはふさわしくない。

 そんな世論調査が行われているはずもないだろうが、「一度だけ」という限定を守った上での「重ね聞き」は、今後も行われるべきだろう。