寒の入りである小寒(今月5日)から厳冬期に…
寒の入りである小寒(今月5日)から厳冬期に入った日本列島で、昨20日は大寒。雪に包まれた北国とは比べようもないが、東京は最低気温0・7度で霜柱が立った。最高気温もひとケタの8・5度で、どちらも平年より1度以上低かった。外では、コートを突き抜けてきた冷気に身震いした人も少なくなかろう。
大寒から月をまたぐ約2週間は寒さもピークとなり、一方で日は少しずつ長くなり、凍てつく地中では春に向かう動きも。七十二候では大寒の初候(20日~24日ごろ)が「款冬華(ふきのとうはな)さく」。蕗(ふき)の花が咲き始めるころだと。
二十四節気の春を迎えるのは節分の翌日、立春の来月4日だが、旧暦では今月31日が新年元日。春はその日から、ひと足早くやってくることに。ウェザーテック生物便りでは、暖かい南の沖縄、奄美地方が早くも桜開花(15日那覇、16日名瀬、宮古島、石垣島)を伝える。
本州と四国では、初雪(15日静岡、19日水戸、熊谷、銚子)、初霜と初氷(16日下関) の便りがある一方で、ヒバリ初鳴(14日松山、16日高松)や梅開花(19日東京、20日高松)の知らせも。
列島は寒いばかりではない、春に向かうかすかな季節の顔をのぞかせる。馥郁(ふくいく)とした梅の香りも間近だ。東京の梅開花は平年より7日早かった。
平年通りの26日は「寒梅忌」(時代小説の名手・藤沢周平の命日)である。<野に咲(さけ)ば野に名を得たり梅の花>東花坊(とうかぼう)