2008年から展開されている「定住自立圏構想」…
2008年から展開されている「定住自立圏構想」。人口4万人以上の「中心市」と近隣の市町村が協定を結び、医療や交通、産業などの分野で連携して生活に必要な機能を確保しようというもの。昨年9月末時点で75圏域が形成され、延べ339市町村が参加している。
総務省は財政支援を14年度から拡充する方針だ。年間支援の上限を、中心市は1市当たり約4000万円から約8000万円、近隣市町村は1市町村当たり1000万円から1500万円に増やすという。
久しく「地方の時代」と言われ、これまでも活性化の施策が打ち出されたが、どれもピリッとしなかった。急激な少子化・高齢化が進む中、地方では人口流出が続いている。起死回生の策となるか。
圏域の中には、中心市が周辺市町村の住民の利用も想定して総合病院を整備し、周辺の診療所と連携させるシステムを運用するケースが見られる。大病院と町医者の関係だが、簡単ではなかろう。
また、運動施設や文化・集会施設、図書館などの相互利用の仕組みを導入したところもある。ただ、近くに図書館よりも食料品、雑貨の小売店ができるのを望む高齢者もいよう。目配りが必要だ。
地域づくりのプランを自分たちで立て実を結ばせるのは素晴らしいことだ。それには「まず郷土を誇り、感謝する心が肝要」。街・都市づくりに詳しい清水馨八郎・千葉大学名誉教授の言葉だ。