関東の上空で今月2日に見られた非常に…
関東の上空で今月2日に見られた非常に明るい流れ星「火球」の正体が、千葉県習志野市に落下した隕石(いんせき)であることが分かった。国内での隕石落下の確認は2018年の小牧隕石(愛知県小牧市)以来53例目だ。
二つの破片は重さ63㌘と70㌘で、幸い住民にけがはなかった。隕石は宇宙の細かい岩やチリのつぶが地上に落ちてきたものだが、今回は火球の軌道が分かり、隕石の出所の「小惑星」についても予測できるという。
隕石の成分を調べ、地上のそれと比較することで、地球誕生時の情報が得られる可能性があり、隕石の由来も分かるようになるわけだ。小惑星と言うと、探査機「はやぶさ」が到着した「イトカワ」や、はやぶさ2の「りゅうぐう」でおなじみだ。
小惑星は火星と木星の間にある小惑星帯に存在する星のことで、天体観測技術の格段の進歩により、ここ20~30年ほどの間に発見数は激増している。その軌道が確定している星だけで20万個を超えた。
地球など八つの惑星だけでなく、こうした多くの小惑星群が太陽系内に位置している。また最近は、太陽系外の惑星も地上への飛来物の解明に大きな役割を果たしていることが明らかになってきた。
太陽系内外の星の賑(にぎ)わいは、われわれの想像をはるかに超える。地球誕生の秘密を知る小惑星や太陽系・系外惑星が、人類の生命を育んできた地球と互いに支え合っている。そう思えば、隕石の破片にも愛着が出てこようか。