米国ミネソタ州で黒人男性が白人警察官の…


 米国ミネソタ州で黒人男性が白人警察官の拘束中に死亡したことに抗議するデモが全米140以上の都市に広がり、一部が暴徒化して収束が見えない。トランプ大統領は、暴動を「国内テロ活動」と厳しく非難。各州知事に州兵による鎮圧を求め、十分でなければ連邦軍も投入する考えを示した。

 トランプ氏は「米国はプロの無政府主義者や暴力組織、略奪者に支配されている」と述べた。行動は最初、平和的だった。

 ミネソタ州のウォルツ知事や複数の政府関係者は、暴動に加わった人々の多くが州外から来ていると述べている。沖縄県での反基地運動に県外の活動家が多く参加しているのを見ても、その可能性は高いだろう。

 トランプ氏は「プロの無政府主義者」について、ツイッターで極左集団「アンティファ」が背後にいるとして「テロ組織に指定する」と宣言している。抗議行動は過激な行為をきっかけにどんどんエスカレートする。故意の火付け役、扇動者がいると思われる。

 死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの弟のテレンスさんが、ミネアポリス郊外の事件現場を訪れ祈りをささげた。そして、暴動に対して「兄はこんなことを望んでいない。兄が愛した街を破壊しないで」と涙ながらに訴えた。

 テレビ映像を見ていると、デモ参加者もマスクをしている人が少なくない。新型コロナウイルスの収束の兆しが見えない米国を襲った悲劇が、一日も早く鎮静化することを願うばかりだ。