10年近く前、岩手県議の男性が病院内で番号で…
10年近く前、岩手県議の男性が病院内で番号で呼ばれたことに激しく抗議した後、自殺するという事件があった。男性は自身のブログに「ここは刑務所か」「会計をすっぽかして帰った」などと書いて批判を受けていた。番号へのこだわりが奇妙だ。受刑者扱いされたのが不満だったのか。
日本では1968年に郵便番号が制定されたが、これに反対した人がいた。地方の同人雑誌の記事で見掛けた。「便利になるのだから、郵便番号はいいアイデアだ」と思っていたので「世の中には気難しい人もいるものだ」と受け止めた記憶がある。
そう言えば、電話番号は数字に限定されている。一方、メールアドレスは数字も文字も記号もOKとさまざまだ。そんなことを言えば「佐藤」「鈴木」というネームも漢字を使った記号だ。が、漢数字の入った名字の「三木」を「3木」と表記することはない。「一郎」はあっても「1郎」は聞かない。
ただ、人格を数字に置き換えることに違和感を覚える人は、一定程度はいるらしい。マイナンバーカードの普及が遅れたのもそんな流れなのだろうか。
が、電話番号が数字である以上、マイナンバーが数字であっても不思議はない。「そういうシステムなのだ」と思えばそれで終わる話のようでもある。
ただ「使い勝手」となると、特別定額給付金のオンライン申請の混乱の例を見れば心もとない。個人を番号で表記するのはいいが、それならば使い勝手の向上が必要だ。