4月7日に新型コロナウイルスの緊急事態宣言…


 4月7日に新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されてから46日になる。この頃に萌え出した緑もだいぶ濃くなってきた。1カ月ほど前に見た緑地のタンポポも綿毛となり、紫陽花の黄緑色のつぼみも形を整え、色づく時を待っている。

 大阪府中心の関西圏が首都圏に先行して宣言解除となり、さまざまな営業自粛要請を段階的に縮小していこうとしている。関西圏の先行例を、戦いのいわば本丸である首都圏は参考とすべきだ。日本全体としても後発の有利さを生かさねばならない。

 社会経済活動の再開は、車に例えればアクセル、「新しい生活様式」など感染拡大の防止策はブレーキに当たる。急発進するのではなく、周りをよく注意しながら徐々にスピードを上げていく。再拡大の兆候があればまたブレーキを掛ける、というふうにやっていくしかないだろう。

 1918年のスペイン風邪の例を挙げ、第2波はもっと激しいものになるなどという向きもあるが、疫学的な知識や予防策の乏しい当時と現代を同列に論ずることはできない。ただ、新型コロナに関してはまだまだ未知の部分が大きく、警戒を緩めることはできない。

 ややもすれば極端な悲観論と楽観論に関心がいくが、そのどちらでもない中間的なスタンスを取ることが「正しく恐れる」ことだろう。

 野生の動物は餌を漁(あさ)る時も、常に外敵の動きを警戒している。それが生き物の本能なのだろう。われわれも本能を呼び覚ます時だ。