新型コロナウイルスの感染拡大で世界保健機関…


 新型コロナウイルスの感染拡大で世界保健機関(WHO)はパンデミックを宣言。財政難のため医療機関を大幅縮小したイタリアでは医療崩壊が起きている。日本でも感染拡大による医療崩壊を警戒したが、恐れていた実例を見る思いだ。

 政府が次々に対策を実施し、爆発的な感染は防げたようだ。まだ終息は見えないが、それなりの効果が出ているととらえるべきだろう。

 ただ、マスク不足は相変わらずだ。ドラッグストアでは棚が空っぽの状態が続いている。首都圏の電車の中では8割方の人がマスクをしており、どこで入手したのか聞いてみたくなる。気流子と同じく多分、何日も使っているのだろう。

 先日電車で、日本在住とみられる南アジア系の男性が、横に座った若い女性に話しかけたところ、男性がマスクをしていなかったためか、女性は会話を避けている様子。それに気づいた男性は「私は医者だ。あなたは若いからブロッコリーを食べてビタミンCを取っていれば大丈夫だよ」などと言っていたが、女性は相手にしなかった。

 感染しても発症しにくいという若い人が、他の人に知らずにうつしてしまう恐れがある。その点、若い人の多くがマスクをしているのは心強い。

 人々はこの時期を乗り越えようと粛々と行動しているように見える。電車で見かけた外国人男性は、そういう空気が読めなかったのだろう。日本人の集団主義的な傾向は、方向さえ誤らなければ、実に正しく機能する。