新型コロナウイルス対策として、中国と韓国…
新型コロナウイルス対策として、中国と韓国からの入国者を2週間隔離するなどの水際対策が強化される。4月頃で調整されていた中国の習近平国家主席の来日も延期となった。発表が同日となったのは、この2案件が密接に絡んでいたことを示唆している。
感染が中国全土に拡大しているのに、入国制限を広げないのかという声はあちこちで聞かれた。実行できなかったのは、習氏訪日への配慮があったためだ。経済への影響の大きさも足かせとなった。
かつて経験したことのない問題に直面した時、政治家やリーダーの真価、そしてメディアの姿勢が問われる。こういう場合、何よりも国民の生命が優先されるべきだ。感染終息が遅れれば、結局経済的な損失はより高くついてしまう。
今でこそ対策の特別措置法改正に協力的な野党も、政府が初期対応に追われていた大事な時期、国会では「桜を見る会」ばかりを問題にしていた。
メディアの報道も首を傾げたくなるものが多い。小中高の臨時休校も唐突だとか根回しがなかったとか些末(さまつ)な手続き論でケチをつけ、現場の混乱ばかりを報じていた。1日の遅れが大問題になりかねない。もし生徒の集団感染が起きたらどうするのかと問いたい。
国民の生命と国運がかかっている事態にもかかわらず、ウイルス問題を政権批判の材料にしようという一部メディアは、国民の側に立つフリをしているだけだということに気が付かないといけない。