トルコ西部の対ギリシャ国境にシリア難民…


 トルコ西部の対ギリシャ国境にシリア難民数千人が押し寄せているという。小紙「難民数千人、ギリシャ国境へ」(3月2日付)によると、数日前トルコ国境の門が開かれて1万8000人が越境したが、ギリシャは受け入れを拒否。

 難民は国境地帯で立ち往生している。トルコは対シリア政策について欧州諸国の支援を引き出す狙いで門を開いたらしい。難民が向かうのはドイツだが、通過する国々は国境を閉鎖中だ。

 ポール・モーランド著『人口で語る世界史』(文藝春秋)によると、シリアの人口は1946年に300万人だったが、60年後には2000万人に爆発。人口動向と内戦は相互に影響しているという。

 移民は、出生率が高く若者に仕事のない国から、高齢化が進んで出生率が低い国に向かうとも指摘する。ドイツは難民受け入れを主導したが、メルケル首相は反発を受けて極右政党が躍進した。

 難民問題を扱った映画作品も作られてきた。ハンネス・ホルム監督のスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」は、孤独な初老の男がイスラム教徒の家族と交流することで優しさを取り戻す物語だ。

 コーネル・ムンドルッツォ監督のハンガリー映画「ジュピターズ・ムーン」は、ハンガリー内に密入国した難民の青年を、命を懸けて助ける医師の物語だ。政治的な主張はしていないが、ヨーロッパが強くなることができるかどうかは、難民問題の対処に懸かっていると訴えている。