「マラソンの息のまはりの春の風」(渡辺和弘)…


 「マラソンの息のまはりの春の風」(渡辺和弘)。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。観光業界が打撃を受けたのに続いて、タレントや人気グループの公演中止が相次いでいる。スポーツ界では、東京マラソンで一般選手の参加取りやめ、プロ野球オープン戦の無観客試合、Jリーグの公式戦延期、女子ゴルフの開幕戦中止などのニュースが躍った。

 小社でも少しばかりその余波を受け、文化面の情報コーナーなどのイベント紹介記事が突然の中止によって急遽(きゅうきょ)差し替えとなった。

 こうした中、安倍晋三首相が感染拡大を防止するための措置として、全国全ての小中学校、高校、特別支援学校に、3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするように要請した。

 卒業式も縮小ないし中止のところもあるという。もちろん、感染拡大の恐れがある通勤ラッシュを避けての時差出勤や自宅での仕事も推奨されている。このことで、芸能、スポーツに限らず、経済にも多大な影響を与え、中には企業の倒産やリストラなども出始めている。

 本来、春は冬という暗い時期を越えて、植物の芽が出て新しい生命の息吹が感じられる季節。だが、コロナウイルスによって、そうした明るい希望のイメージがなかなか持てない感じである。

 春を代表する桜の花の開花も、例年よりだいぶ早まる予想も出ている。しかし、待ち遠しい桜も、今年ばかりは心から喜ぶことができないのが残念だ。