新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない北海道の鈴木直道知事は、緊急事態を宣言し、道民に週末の外出を控えるよう要請した。感染拡大は札幌などの大都市だけでなく道内の各地に及んでおり、昨日も新たに12人の感染が確認された。

　あの広い、人口密度も高くない北海道でなぜと考えてしまうが、北海道は観光地として中国人などに人気が高い。札幌雪まつりの時期でもあった。

　しかも冬場は、暖房効率を上げるため室内の密閉性が高くなる。ロシアを訪ねた時、部屋の天井が低く、広くないのに驚いたが、これも厳しい寒さをしのぐ工夫だ。

　安倍晋三首相が、大型のイベントの自粛、さらに全国小中高に春休みまで臨時休校を要請した。「今がまさに感染拡大のスピードを抑制するために極めて重要な時期」との判断からだ。さまざまな不都合が出てくることが予想されるが、国民の命には替えられない。

　感染をどの程度抑えられるかで、東京五輪・パラリンピックを予定通り開催できるかどうかも決まるのではないか。東京では56年ぶりの大会だ。開催を危ぶむ声なども聞こえるが、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のバッハ会長は、開催に「全力を注ぐ」と語り、トランプ米大統領も「開催を望む」とエールを送っている。

　この２週間が正念場だ。全国民が、新国立競技場での開会式そして札幌でのマラソン競技などをイメージしながら、この試練の時を乗り越えていきたい。