テレビは放映された後には、録画でも取って…


 テレビは放映された後には、録画でも取っておかない限り何も残らない。その点が新聞や雑誌など紛れもない証拠の残る活字メディアとは大きく違う。問題番組なども追及しにくく、“逃げ足の早いメディア”と揶揄(やゆ)される所以(ゆえん)でもある。

 今回はその逆のケース。番組の録画でもあれば視聴してみたいのだが、叶(かな)わないのが残念である。幸い小紙12日付「メディア ウォッチ(テレビ)」で森田清策氏が、この番組について活字で詳細にフォローしているので、関心のある方はこちらをご覧いただきたい。

 ここでは触りだけを紹介したい。番組は元日未明に放映されたテレビ朝日の討論番組「朝まで生テレビ!」。司会の田原総一朗氏の歯に衣(きぬ)着せない容赦ない突っ込みが人気の長寿番組である。

 今回のテーマは「激論! 中国・韓国、米国とニッポン」だが、議論の中心は安倍晋三首相の靖国神社参拝。パネリストの大半の意見が首相の参拝反対なのは予想が付くが、特に同局の岡田豊アメリカ総局長の現地情報が酷(ひど)かったという。

 森田氏は「岡田が予断をもって偏った情報だけを並べたと分析できるのは……すべて曖昧な情報源になっているからだ」と批判。これには田原氏ですらも「あの報告、おかしかったね」と言うほど。

 番組の最後に発表された視聴者アンケートの結果で、安倍首相の靖国参拝への賛否が「支持」71%、「不支持」29%ではパネリストも顔を上げられまい。