日米など12カ国が参加する環太平洋連携協定…


 日米など12カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)交渉。そのTPPとともに安倍晋三政権が国内の環境整備を進め、積極的に推進しようとしているのが2国間の経済連携協定(EPA)交渉だ。

 2国間EPAは特定国との間で、貿易や投資の自由化、知的財産権の保護など幅広い分野のルールについて取り決めた協定。先日、安倍首相とトルコのエルドアン首相は東京都内で会談し、EPA交渉を今年中に開始することで合意した。

 日本はこれまでシンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムなど12カ国との間でEPAを発効済み。カナダや豪州など5カ国と交渉中だが、中東諸国の中ではトルコが初めてだ。ぜひ成功させたい。

 会談で両首脳は、日本とフランスの企業連合が受注で実質合意しているトルコへの原発建設を着実に進めることで一致。トルコで「日トルコ科学技術大学」を設立する準備に関し覚書に署名した。

 トルコでは経済成長が続いている。まずは日本が工業製品をトルコへ輸出する一方、魚介類や繊維製品を輸入することで関係を強化することになろう。その上でEPA締結によって貿易・投資の拡大を目指し、より包括的な関係を構築したい。

 トルコは古来、「東西の十字路」として栄え、今日も中東と欧州、中央アジアとの接点に位置する中東の大国だ。トルコとの通商で学ぶべき点は少なくないはずだ。