「北海道新聞」の投書欄に「激辛番組」を…
「北海道新聞」の投書欄に「激辛番組」を批判する主婦の投書が掲載されたのをインターネットで知った。「激辛食品を食べさせられた出演者が苦しむ様子を見て楽しむような番組は不快」というのが投書の趣旨だ。
この番組は日本テレビ系のようだが、これに限らず、激辛食品を食べさせて楽しむ番組は多い。激辛とは違うが、大食い、早食いの類いも同様だ。
特に激辛については、食道がんの発生につながるだけに、健康上の問題が懸念される。一般的な話として「ひどく辛い物はやめるように」と医師に忠告された経験は何十回もある。
健康上、出演者に実害を与えることが明確な激辛番組が、なぜ公然と放送されているかは不明だ。日本テレビを含むどのテレビ局も、ニュース番組などでは飲酒の強要を批判的に報じているし、喫煙の危険もまっとうに伝えている。
それだけに「なぜ激辛番組だけが許されるのか。番組倫理上問題はないのか」といった疑問が残る。BPO(放送倫理・番組向上機構)で問題となったことはないのだろうか。
激辛番組は「パワハラ」を楽しむものとして自覚的に制作されているのだろうし、テレビ局を含む芸能界でパワハラは少なくない。むろん、テレビ局や芸能界に限らず、パワーが働かない人間社会が存在したことは古今東西一度もないのだが、こうした一般論とは別に、個別の番組(またはブーム)としての「激辛」が全くいただけないことだけは確かだ。