NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が19日、…


 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が19日、ようやく初回放送された。出演予定だった女優が昨年、麻薬取締法違反容疑で逮捕されるトラブルで配役の変更や撮り直しなどもあったが、それを乗り越えて無事に放映されたことを喜びたい。初回視聴率は19・1%(関東地区)で、昨年の「いだてん」の15・5%を上回った。

 スタートしたばかりなので、今後視聴率がどうなっていくかは未知数だが、少なくとも期待を抱かせるものだったことは間違いない。

 ただ視聴者の反響には、全体の色彩が鮮やか過ぎてどうなのかという疑問もあったようだ。確かに、画面の風景、衣装など、原色の発色が鮮やかだった。

 あまりにカラフルなので、弱肉強食の暗い戦国時代というイメージから懸け離れているように感じられたのかもしれない。逆に、同じ大河ドラマの「平清盛」や「龍馬伝」などは、時代考証によってリアルさを追求して地味だった。

 だが、それで「画面が暗い」「汚い」といった感想が寄せられた。「麒麟がくる」がカラフルなのは、これも時代考証によるもので意図的なものではないという。確かに、戦国時代は甲冑(かっちゅう)や衣装も派手好みで鮮やかだった。

 考えてみれば、奈良時代の寺院も、万葉集に「あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」(小野老)と詠まれたように当初は鮮やかだった。それが時間とともに古びて、今のような古雅な雰囲気となったのである。