大寒の昨日も、東京は朝晩こそ少し冷え込んだ…
大寒の昨日も、東京は朝晩こそ少し冷え込んだが日中は晴れて最高気温14・1度と3月中旬並みのぬくさだった。「寒の入り」今月6日も最高気温12・2度。10日余りを残す1月の仮平均気温は6・8度で、この数年の1月に比べ1度以上高い。
節分までは「寒の内」が続くが、今年は暖冬である。気象庁も「1~3月の気温は東、西日本で高い、北日本も平年並みか高い見込み」としている。
「小寒の氷大寒に解く」とも言うが、今年は解ける氷もなかった。日脚はすでに先月22日の冬至を境に伸びてきて、「三寒四温」のこの時期も少ない寒暖差を繰り返しつつ春をのぞかせる。
春を待つ心を弾ませる梅の便りが各地から聞こえてくる。静岡がこの10日、名古屋は14日の開花で、どちらも平年より10日以上早い。早咲きで知られる熱海梅園は昨年11月12日に今季初の開花が確認された。この15日に咲き始め、見頃は今月下旬から2月上旬にかけてと平年より早い。
東京・湯島天神の梅は2月下旬が平年の見頃であるが、こちらも早くなるという。凍える風雪に耐え、万花に先駆けて凛(りん)として花を咲かせる梅。同じように、この時期に花を咲かせる水仙との組み合わせは東洋画の画題の一つで「双清(そうせい)」という。清々(すがすが)しく花を開く姿が、人の心を打つのであろう。
この26日は梅のイメージと人柄や作風が通い合う作家、藤沢周平さんの命日「寒梅忌」である。<冬の梅あたり払(はらい)て咲(さき)にけり> 一茶(いっさ)。