表面の無数の突起が、太陽の表面で放たれる…


 表面の無数の突起が、太陽の表面で放たれる不気味なコロナの光に似ていることから名付けられたコロナウイルス。世界中で流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)などが先例だが、昨年12月に中国の湖北省武漢市で発生した新型のコロナウイルスによる肺炎が感染拡大を続けている。

 中国衛生当局の感染例の報告から3週間ほどで、6人が死亡している。これまで人から人への感染は確認されていなかったが、患者から医療従事者への感染がついに認められた。

 ウイルスは生存のために宿主が必要で、宿主を確保するとむやみに移動することはない。人から人へ感染するようになったのは、ウイルスが力を得て増殖の機会を持った証しでもある。

 2002年にSARSが流行した時、中国では患者の公表の遅れや情報隠蔽(いんぺい)があった。今回も武漢だけでなく、各地で患者が見つかっており、新型肺炎の実際の流行状況はどうなのかという疑問がある。

 世界的な流行を防ぐには、まず国単位で責任を持って措置を講じることが肝要。中国の対応については今のところ見守るしかないが、24日から旧正月の「春節」の連休で億単位の人の移動があり、懸念材料だ。

 SARS流行時に、世界で最も早く終息宣言を行ったのがベトナム。駆け付けた日本人医療団が大いに貢献し、徹底した「封じ込め」作戦は世界から称賛された。患者を素早く発見し、隔離することを中国当局に求めたい。