山口県の住民3人が、四国電力伊方原発3号機…


 山口県の住民3人が、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審で、広島高裁は「敷地近くに活断層がある可能性が否定できない」などとして、運転を差し止める決定を出した。

 原発は東京電力福島第1原発の事故後、一時稼働ゼロとなったが、政府は「重要なベースロード電源」と位置付け、原子力規制委員会の審査に合格したものから順次再稼働させている。が、どうもうまくいかない。

 この裁判でも、裁判長は原発敷地から2㌔以内に存在する中央構造線について、四国電側の調査は不十分で「横ずれ断層である可能性は否定できない」とし、規制委の判断に「過誤ないし欠落があった」と断じた。

 高度に専門的な理学、工学知識が求められる原発訴訟で、裁判所は、行政の専門機関が決定した内容を1回の審尋で覆したわけだ。高裁の無定見は明らかだ。

 1992年に、別の伊方原発訴訟で出した最高裁判決では「原子炉の安全性審査に裁判所が独自の立場から判断を下すのは不適切だ」としている。この判例にも反している。

 反原発を標榜(ひょうぼう)する人の中には、放射性物質や放射線を蛇蝎(だかつ)のごとく嫌い、地上から永久追放しようと気勢を上げている人たちがいる。しかし人類、生物は太陽の核融合による光、熱の恩恵を受け、地球に届く強い放射線との間のぎりぎりのバランスの中で生存している。自然の摂理を甘く見てはならない。