「GAFA(グーグル、アップル、フェイス…


 「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)」と呼ばれる巨大IT企業4社の世界的なネットワーク化が進んでいる。日本の企業は先が見えてこない競争環境の中で、どう対していくか。

 商学博士の小林惟司氏が「今日の企業をリードしてゆくには先見力がまず必要である。(中略)率先垂範もさることながら、いかに後進に先見的問題を継続的に提示するかにかかっている」(『寺田寅彦と地震予知』)と、経営者の尻を叩(たた)いたのは20年ほど前。

 もともと通信業界自体は発展の方向性が見えにくい産業だ。1970~80年代の半導体の時代とは根本的に異なり、2000年前後、日本が取り組むべき具体的な技術、その発展方向が見えてこない点を衝(つ)いた通信業界の「経営者論」が盛んだった。

 小林氏は「これからの経営者は特定の専門分野のほかに、幅広い一般知識を持つことが要求される。多くの専門分野を包含する幅広い知識を持たなければならない」とも。通信技術をベースにした新たな産業創出の時代を暗示した。

 「先見性」はいつの時代もリーダーの資質として重要だが、今日のGAFAのような巨大企業の市場席巻を見ると、この間の日本のIT企業の実力、先見性不足を指摘せざるを得ない。

 きょうからたいていの企業、役所は仕事始め。リーダーだけでなく、一人一人が先見性を持ち、ワンチームの力を発揮したい。日本の時代をつくるという意気込みで。