ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領が来日…


 ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領が来日した。同国大統領としては故カリモフ前大統領以来8年ぶり。これに際し、アブドゥハキモフ副首相の特別寄稿が16日付小紙に掲載された。

 副首相は一橋大に留学した経験のある政権きっての親日家。気流子も2度ほどお会いしたことがあるが、流暢(りゅうちょう)な日本語に驚いたのを覚えている。

 寄稿では、両国の古くはシルクロードを通しての関係や国民性の共通点などが語られ、戦略的パートナー関係の深化でさまざまな可能性が開かれることを縷々(るる)述べている。同国は中央アジア5カ国のうち人口が最も多く、教育レベルも高い。特に高学歴の若者には語学能力の高い人が多い。

 日本との関係で必ず語られるのが、戦後ソ連軍に抑留された日本兵捕虜が、建設に携わった首都タシケントのナヴォイ劇場。1966年にタシケントを襲った地震でほとんどの建物が崩壊したのに、劇場はびくともせず、捕虜の立場でも手抜きをしなかったからだと日本人への尊敬が高まった。

 抑留中に亡くなった日本人の墓地をソ連当局は更地にしようとしたが、ウズベクの人々はサボタージュで抵抗。墓は守られ、今も綺麗(きれい)に整備されている。

 中国の「一帯一路」の要となる中央アジアの地政学的な重要性は今後ますます高まるだろう。ウズベクにおける中国の存在感も増している。日本との特別なつながりを持つこの国とどういう戦略関係を築くか、安倍外交の力量が問われる。