「ながら運転」を厳罰化した改正道路交通法…


 「ながら運転」を厳罰化した改正道路交通法が今月施行された。スマートフォンなどを操作して車を運転すると「携帯電話使用(保持)」に問われ、罰則が「5万円以下の罰金」から「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」に。

 事故につながりかねない「交通の危険」となった場合は「3月以下の懲役など」から「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に引き上げられるなどした。違反点数では「交通の危険」が2点から即免許停止となる6点に。

 スマホゲーム「ポケモンGO」をしながら運転中の男のトラックにはねられた小学4年男児が死亡した事故(2016年10月、愛知・一宮市)を契機に、遺族らが求めていた厳罰化が形となったのである。

 相次ぐ悪質な「あおり運転」に対しても警察庁が動きだした。こちらは17年6月に東名高速道路で一家4人が死傷した事故が契機となった。事故を引き起こしたあおり運転の罰則を創設し、違反者の運転免許を取り消せるようにする道交法改正案を、来年の通常国会に提出することを目指す。

 悪質運転の厳罰化による事故抑制効果は大いに期待できる。与野党もこの問題では一致して速やかに改正案を成立させてもらいたい。

 今年の交通事故死者数はあと半月を残した15日現在で3022人。年間死者数が戦後最少の3532人だった昨年同期の3304人に比べて282人(8・5%)少ない。今年も戦後最少を更新することは間違いない。